朝の陽光は、容赦なく羽村の自室にも注いでいる。
昨夜だらしなく脱いだ服は、起きてからすぐに片付けた。
あの胸苦しさの残っているようなそれを見るのが嫌だった。
カソックに着替え、略式のストラを選んで肩にかける。
鏡の中の顔は多少疲れは見えるものの、普段とそう変わりはない。
まだミサの時間には早かったが、祈祷書を持って自室を出た。
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「そんな顔もできるんだね。相楽さんのことになると本気ってわけだ」
抵抗を試みる羽村を、斎木は容赦なく押さえ付けた。
(肝心なところへは踏み込ませないつもりか__、関係ないだって?)
「なんであなたが怒るんです」
「さあね…本当にわからないの、あんな顔して人を見てさ?」
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カソックからセーターとジャケット、
チャコールグレーのコートとカシミヤの茶色のマフラーに
着替えた羽村は、普段よりももっと若く見えた。
地味ではあるが良い品物を選んでいるし、センスも悪くない。
背の高い斎木は、全身黒のコーディネイトだった。
二人はst_Lの経営するタワービル内のレストランで食事をした。
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突然、携帯電話の着信音が響いた。
清宮司祭からだ。
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「たまらないね」
羽村は苦笑した。それだけで別れることになどなるものか?
定まった相手がいる男の他愛も無いノロケにも聞こえた。
「美奈子は若いし、ヤキモチがすごくてな」
「…ちがうよ。そんなもの残しておかれたら、
女性の方がたまったものじゃないだろうってこと」
「なんだ、しばらく見ないうちに女性心理に明るくなったのか」
相楽はいかにも意外に思ったらしく、伏し目がちな羽村を驚いて見つめた。
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